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  • 2014.02.22 Saturday
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モデリングから動画を見る その8 "ゆきまこ" の同質性と非対称性

JUGEMテーマ:THE IDOLM@STER

さて、だらだら続いているこのシリーズ。
前回は "はるちは" のヴァリエーションについてモデリングの観点から見ていきました。
⇒ モデリングから動画を見る その7 "やよいおり" と "はるちは"
では、雪歩と真のコンビ「ゆきまこ」についてはどうでしょうか。



ゆきまこの "やよいおり" パターンとの一番の違いは、
基本的に同種のモデリングの組み合わせであるところだと思います。
元気なくせ毛や襟髪を持つ真:やよい型、
落ち着いたシルエットの雪歩:伊織型 と類別することは可能ですが
輪郭のつくりや、大きな瞳に前髪がかかるところなど類似する部分は多く、
外向性・内向性の対比はむしろ共通点を土台にしているように見えます。

雪歩と真の対比は例えば襟足の処理に表現されています。
真がサッパリと刈り上げ、裏表のない性格を暗示しているのに対して、
雪歩はくるりと首筋をくるむような空間を持っていて、
そこに視線が誘導されるために底知れない奥行きを感じさせ、そこが魅力にもなります。


我々の視線を自然と奥に導く髪型が我々視聴者に内面性を連想させます。
左右アップ時に、瞳に前髪がかかっている点にも注目。


上の画像のように、視聴者の視点を表面にとどめおくばっさりとした襟足。
真の前髪はデフォルトでは瞳にかからず、動きに応じてちらちらと目の前を横切る。
雪歩のミステリアスさに対して、こちらは典型的な「王子様」的さわやかさを演出します。
前髪に目が隠れる、という同一の意匠から異なる印象がもたらされています。



二次創作において問題になるのは、
やよいおり等が互いに補い合う性質から組み合わさっているのに対して、
ゆきまこが、対照性の皮をかぶった同質性に成立根拠を置いているところです。

「雪歩の背中を真が押す」程度の関係ならよいかもしれませんが、
雪歩の造形が視聴者にもたらしてしまう内面性に作品の視点が向かったとき、
真のほうでその穴を埋めるだけの持ち合わせがない、ということになってしまいます。

以下、具体的な作品を何点か見ていきます。
(以下格納)
 ・メイP "アイドルマスター 彼女と私の箒星。 雪歩・真"(ニコニコ動画では削除済)
「箒星」は、左右対称の構図を強調し、雪歩と真の同列性を強調します。
ゆきまこの非対称性は目立たせず、同種モデリングの効果を最大限に生かします。
このシリーズ記事で毎回確認できることですが、
メイPはモデリングの特徴をできるだけプラスに生かし、
最も破綻が生じにくいパターンにおいて描くよう心がけているようです。

・リンP "アイドルマスター 「私は   」"

雪歩「私はアイドル」シリーズでは、上とは逆に雪歩と真は完全に遮断され、
真は雪歩にとっての、結局手が届かなかった目標としてのみ描かれます。
悲痛な内容ですが、これもモデリングの特徴を表現に応用した例と言えるでしょう。

・【im@s新年会】im@s side story(前編)

XBOX360版アイドルマスターで最も整った頭部モデリングを持っているのが
雪歩・真・美希の3人だと個人的に思っているのですが、
雪歩と真の関係が同質性にもとづくものであるところに
美希の介入を許す余地が生じるのだと考えます。

このように、雪歩の負の側面にスポットを当てた場合、
真がその埋め合わせにならない作品が目立ちます。
(見逃している・筆者の記憶から抜け落ちているだけかもしれませんが)
雪歩の内面を真は救えないのです(あくまでモデリングから出来する話ですが)。

ああ、誰か、Xbox360版雪歩を深い闇から救い出してはくれないものか。
(注)もっとも、絵の力を借りるなら、もっと大胆なことが可能です。

・柏城P "【NRF09】アイドルマスター ネアンデルタールPunks Fuck Off!"

「やよいおり」「はるちは」パターンのように、
欠如を抱えた主体/埋める他者 という構図で考えるなら
この作品では真が前者、雪歩が後者に位置しています。
Xbox360のモデリングからだけではなかなか正当化しづらい設定です。
しかし絵とXbox360版の齟齬をかえって動画のパワーに飲み込んで
しまうような力強さがこの作品にはすみずみまで詰め込まれています。
上のような事情を勘案すると、下の動画は雪歩愛の動画だと思うのですが、
皆様はいかが思われますでしょうか?

・まこTP "アイドルマスター 雪歩と結婚式"


つづく。律子編
-
当シリーズ記事はあくまでモデリングから生じる傾向について述べたものであり、
公式・二次創作のキャラクター付けにおいて別の解釈を否定するものではありませんが、
反論・反証がありましたらぜひコメント・トラックバックお願いします。

モデリングから動画を見る その1 やよいのモデリング
モデリングから動画を見る その7 "やよいおり" と "はるちは"
目次 - 特集記事2

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  • 2014.02.22 Saturday
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  • 22:13
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コメント
大変興味深く読ませていただきました。
物をあまり知らないもので、こういった切り口から論じていくやり方があるのかと、とても新鮮に感じました。

拝読していて私が連想した動画はこちらです。

 poleaveP
 アイドルマスター 「Private Laughter」
 http://www.nicovideo.jp/watch/sm7057050

戻って来て、と雪歩は希求します。
 − くすぐりあった無邪気さ
 − 今一度思い出してと寝顔つねった

02:43頃の、ソファーでフテ寝(?)する真と、手前でぽつねんとしている雪歩の絵が特に印象深くて
「真はもう自分を省みてはくれない。雪歩はそのことを悲しんでいる」
といった内容なのだと今までは解釈していました。
”真は冷たい人”というコメも付いていますが、たぶん同じ解釈なのでしょう。

けれどもこちらのエントリを読んでいるうちに、あるいは、真は何も変わっていないという見方もできるのかなと思いました。

雪歩への想いも、大切にしたいという気持ちも何も変わっていない。だけどもう届かなくなってきている。
でも真はそのことに気づいていないのか、気づいていたとしてもどうしたらいいか分からないでいるのだと。
結局、本心はどうであれ、雪歩の悲嘆は晴れることはない。

異なる読み方を知るというのはとても面白いものです。
よいきっかけを与えていただきありがとうございました。
  • kaneko
  • 2009/08/17 11:48 PM
このシリーズ好きで読んでいます。
モデリングの話は詳しくわからないものの
真と雪歩が同質であるということ、
真は雪歩を救えないというのは、
思い当たるふしがありますね。
スタート地点は違っても、2人の目指す所は同じですから。
成長は両者を欠けたままにはしておかない。
空想メロウの雪歩はか弱いままではないし、
Colorsの真は王子様ではないですもんね。

真が雪歩を救えないのは、真が女だから。
いや、精神と心が男であれば救えた。
でも真は王子様を求める少女であり、
雪歩の安住の地にはなりえない。
一時的な避難場所にはなれても、
根本的な解決にはならないのでしょう。
それでいいんです。
そのためにプロデューサーがいるんだから。

続けると延々真論になるのでこのへんでw
  • cha73
  • 2009/08/18 11:53 PM
kanekoさま
はじめまして、コメントありがとうございます! 真は損な役回りでもありますね。キャラクターが女性ばかりで、不実な男の役でも一手に引き受けざるをえなかった。ぎみっくPの単身赴任シリーズもありますが・・・

私も不勉強なのですが、もっといろんな視点があるはずだと思って書いていますので、コメント有難く拝読しました。「ゆきまこはこうでなくてはならない」というふうに受け取られたら私の主旨ではないので、新しい見方、新しい発想が記事をきっかけに生じたとしたら嬉しいことです。

poleavePの動画は「あなた(真)が振り向いてくれなくなった」という演出で動画全体が統一されているのは確かですね。これは歌詞の視点に演出を合わせているのだと思います。

ただ、真が振り向いてくれなくなった理由は歌詞でも動画でもはっきり描かれていない。もし真の側から見たらまた違う風景が見えるのではないか、あるいは kanekoさんが仰ったような思いを真は抱いているかもしれない・・・こんなことpoleavePが意図していたかどうかはわからないのですが、想像して楽しむのは自由なので。

そして、作者の意図はともかく、こうやって真の視点を想像したらぐっと作品の世界が広がりますね。奥行きが出ますね。そういうものがなにより大事なことなんだと思っています(私的ないとなみではありますが)。素敵なご意見ありがとうございました!
  • club-jamora
  • 2009/08/20 9:08 PM
cha73さま
コメントありがとうございます! 読んでいただけて嬉しいです。

仰るとおり、そもそもキャラクターの性格設定の時点で真が雪歩を救ってハッピーエンドというのは(ネタとしてはともかく)ありえなさそうです。この記事は「やよいおり」「はるちは」との比較のつもりであえてモデリングに問題を絞ったのですが、性格設定に流されてしまったところがあって、いささか無理に書いたように見える部分ができてしまったのが我ながら不満です。

私も、雪歩・真はプロデューサーとの物語が本編だと思っています。そちらでの解決が準備されている上で、ネタだったり・二人並んでかわいいなという意味だったりで「ゆきまこは正義」なのだと。

そのうえであえて提示したかったのは、雪歩のモデリングが持っている得体の知れなさの存在ですね。うまく言えないのですが、ゲーム上の設定を離れてなお喚起される何ものかがあるように感じるのです(ちなみに私は特に雪歩ファンというのではありません)。ゲーム画面を用いた二次創作で特に浮かび上がってくる問題だと思っています。メイPがガチガチに重たい雪歩動画を作るだろうとカズマさんは予言しているのですが、ありえることだと思います。

今回の記事では雪歩側に重点を置いたので、真について軽く触れるにとどまってしまいました。実際はそう単純には済ませられないはずです。今回スクリーンショットを作るためにキャプチャーした動画を一枚ずつチェックしていて、やはりひとすじなわではいかなさそうだと感じました。いつかフォローできればよいのですが・・・
  • club-jamora
  • 2009/08/20 9:14 PM
半月前の記事にコメント突撃しちゃうのが俺なんだよな(挨拶)

彼女たちのモデリングにメスを入れるこの企画は
少なくとも俺は今まで他に見たことのなかったもので、
かつ彼女たちの一面を咀嚼して消化するための
超重要な道筋だと確信しています。
いつもエキサイティングに拝見させて頂いています。

雪歩の襟足に発生する”底知れない奥行き”に対して
真の風が吹き抜けるような造形では
救うための術を持たない、という論旨に見受けましたが、

ここで彼女たちのイメージカラーをガイドラインとして当てると
モデリングにもまた別の見え方が生じると思います。

動画を一つ貼ると、
アイドルマスター 「Baby I Like Turn Me On Mix」 真 雪歩
http://www.nicovideo.jp/watch/sm6390480

ここではほぼ全編白黒のトーンで、また暗転を多用することにより
真の属性である黒を地相として展開しています。
ゆえに雪歩が映る場面では彼女のモデリングの中の
最も「黒」な部分である、襟足の暗黒空間が一層際立つような構図になっていて、
そのほかの「白」な部分はほぼ黒に侵食され沈んでいきます。
この動画の中の雪歩は襟足の空間を柱として輪郭を保っている存在と言えます。

対して真は言うまでもなく「黒」の側の人間で、
彼女の映る場面では水を得た魚のように充実した展開を見せます。
(とりわけ大きいのは目の黒い割合の高さと眉毛の強さでしょう)
この動画全体の構図は、黒の世界への来訪者である雪歩と
この世界の主である真の舞踏、と読み解くこともできるでしょう。

さて、これで何を言いたかったというと、要は
「雪歩が抱える内面の闇は、実は真の存在そのものと同質である」
という一点についてです。

雪歩の先鋭化した黒に対して真は全面的な黒を展開する。
つまり真は雪歩の黒を包み込むことによって彼女を救えるのではないか。
そんなことを、彼女たちのモデリングを見ていると思います。

余談。
またこの動画では、最後の最後に白と黒が反転し
陽の下のステージで再び2人は舞踏します。
雪歩の強い白と真の弱い白によって立場が逆転し、
彼女たちの同質性を示しているものなんじゃないか、とも考えます。

このコメントではモデリングの一面をイメージカラーに仮託して
考察を進めてきましたが、そのせいで
モデリングそのものの考察から少し離れてしまったかも、と
少しだけ不安になってきましたw

まぁ、これが彼女たちの造形への理解を進める一助になってくれたら
と願いつつこのクソ長い長文(重複表現)を〆めさせて頂きます。

良い記事を、ありがとうございました。
コメントありがとうございます。私こそモデリングといいながら毎回脱線を重ねています。視覚的な感性がないものだから仕方ない。誰かPの方がやってくれないかと期待しているのですが、Pにとっては当たり前といおうか日々具体的に課題として直面しているわけで、わざわざ言表する意義を感じないものかもしれません。

白黒の対比という要素は、論旨をまとめるためにあえて触れるのを避けた部分のひとつだったのですが、早速ばれてしまいました。そこを指摘されると、非対称性という前提は崩れてしまいそうです。ゆきまこでイメージカラーを生かした例は、PVよりも紙芝居作品やノベマスが多いのではないかと漠然と考えていたのですが、チーリンPのPVを見ては謝るしかない・・・

ご紹介いただいたPVは一目で気に入って、それをきっかけに旧作2本も見てすっかり好きな作家になったのですが、婿固めさんのような理解の切れ端にも至っておらず、演出は視界に映れども見えず、耳に入れども聞けておらずというありさまでした。

ただ、白と黒の対立というのは原理的というか抽象性があって、メッセージが具体的・直感的に届きづらいモチーフかも知れません。また、はるちは・やよいおり的な、内的欠如を他者が埋めるニコマス王道路線にはやはり展開しづらい気がします(チーリンPの動画のように、両者の対立・克服ないし融合の物語になるのでは)。本文に掲載した柏城Pの動画ではモノクロ/暖色という対立に置き換えられているのは示唆的だと思います。

それにしてもチーリンPの動画はすばらしい! この方は借り物Pではないかと思っているのですが、元の映像が持っている微細な感情を何倍にも増幅してPVに生かせる方ですね。3月頃は高画質の動画が増えていて、少しでも画質が粗いと埋もれてしまう傾向があったのでしょうか、NoNoWireを通過した今ならずっと評価されるだろうと思います。

長くなりましたが、素晴らしい考察ありがとうございました。動画で具体的に起こっていることに食いついていく姿勢を見習いたいです。ここのコメントに残すだけではもったいないと思うので、さらに展開してブログを更新していただけないものか・・・今見ると動画にこの記事のURLがコメントされていてちょっと慌てたのですが、きっとコメントした方も婿固めさんの文章を読んでもらいたいと思ったのでしょうから。
  • club-jamora
  • 2009/09/04 7:37 AM
男性版アイドルマスター 萩原雪之丞 小さなてのひら
http://www.nicovideo.jp/watch/sm7601743

既にご覧になっていたら申し訳ありません。
雪歩が真の髪型になっているわけですが、こうも印象が変わるのは凄いですね。
  • GAAP
  • 2009/10/18 11:50 PM
いらっしゃいませ。はじめてみましたが、これは面白いですね。前髪は雪歩のままで、くせ毛もマスクで切られているから、顕著に変わっているのは襟足まわりをザンバラにしているところだけなのに、これほど印象が変わるとは驚きました。

すっかり忘れていたのですが、このシリーズ記事は、最初は下のような髪型改変ものを紹介するための前フリのつもりでした。

アイドルマスター 髪型チェンジ集 2nd
http://www.nicovideo.jp/watch/sm3772730

アイドルマスター 真美 ロングヘア
http://www.nicovideo.jp/watch/sm6650681

髪型改変、似合うアイドルもいれば似合わないアイドルもいて、どうしてだろうなあ、と思ったのが最初の動機です。初志を忘れないようにしないと・・・。
コメント、ご紹介ありがとうございました!
  • club-jamora
  • 2009/10/21 9:45 PM
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