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マイナス・ワン

JUGEMテーマ:THE IDOLM@STER

矢夜雨Pのまごうことなき傑作に触発されてつらつら考えた音楽メモ。

・アイドルマスター 〜しっぽのうた〜

(以下格納)
すばらしい映像と音楽とのマッチングを果たしている上の動画、
曲はアニメ等のサウンドトラックで有名な菅野よう子氏によるもの。

この作曲家の仕事量と質の高さ・多彩な語法を操る技量と個性には感銘を受けつつも、
サウンドトラックのみ聴く時、筆者は物足りなさを感じます。

これはいわゆるマイナスワンの発想で曲が作られているためで、
映像の余地を残すために音楽として物足りない箇所を残しているのだと思います。

・アイドルマスター Chance to Shine 律子・やよい・亜美


管野よう子氏の場合はサントラについて言ったのだけれど、
概して優れた映画音楽家の中には根っからのマイナスワン気質とでも言うべき
人たちがいて、すばらしい映像がついた時に非常に深い感動をもたらしてくれます。

ある作家がそのような作曲家の一人について
「非常にコミュニケートする文章を書く作曲家だ」という意味のことを
言っているのを読んだ記憶がありますが、
社会的なコミュニケーションスキルとはまったく別の次元で、
彼らの音楽は実にコミュニケートするものだと感じます。
音楽を通して微細で豊かなエモーションや肌触りが伝わってくるかのようです。

ところが、ダイレクトに表現内容が伝わってくるとき、
筆者は音楽そのものが届かなかったように感じます。
感情・感覚の豊かさ、それを伝えるための構成の妙、和声や音色の独創性といった
技術の巧みに感心しながらも、そこに音楽は少ない、と思えるのです。

仮にアイドルマスターMADで例えるなら(逆に混乱しそうな例えかも知れませんが)、
・アイドルマスターの素材そのものを究極的に目的として描くか
・素材を手段として情感・メッセージを伝えるのが主眼であるか
という違いかもしれません。

以前一度だけtwitter上でおっぺけPのお話を伺ったことがあるのですが、
その時「彼女たちそのものがそのままそこで生きているような動画を作りたい」
という意味のことを仰っていました。
おっぺけPの目指すところは前者にあったのではないでしょうか?

しかし、素材そのものが目的となるとき、
どちらかと言うと「伝わりにくい」作品になってしまう傾向があります。
素材そのものがコミュニケーションに場所を譲らず、
得体の知れないものであり続けるからです。
・MAD アイドルマスター Tokachi live in 厨房

yocch41P・41Pの動画はまさに素材自体が目的となっていて、
それゆえになかなか爆発的な人気を得るに至っていませんが、
実際のところは何も考えずに見て楽しめばそれでよく、それゆえほとんど唯一の
MADとして自立した美しさを持ったMAD作品を作る作家たりえています。

音楽もまた、本当に音楽自体を感じさせてくれるのは
得体の知れないものを抱え込んでしまっている楽曲だと思います。
そのような、本質的に「マイナス・ワン」を抱え込んでいない音楽に
映像を合わせるのは難しいことが多いようです。
例えば下の二つの動画が、あえて一般的な「ダンスシンクロ」の作法を外すことで
映像と音楽との間に距離をもうけていることは、
音楽に対する動画作家の優れた嗅覚を感じさせてくれるものです。

・アイドルマスター The Beach Boys - Little Saint Nick 【60's洋楽m@ster】


・アイドルマスター レッチリ John frusciante 「Murderers」 Inst.祭


補足すると、音楽自体で十分に深い内容を持ちつつ、映像に対する親和性を持った
楽曲も存在します。バッハの諸作品などはそれに当たると言えるでしょう。

・アイドルマスター (MAD PV) ”Aria Da Capo” 伊織、律子 iM@S_Inst.祭


バッハの曲、グレン・グールドのタッチが含んでいる「謎」が
映像に染み透っていくようです。
映像作家はその感覚をみごとにすくい上げています。

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過去の関連記事
音楽と映像に距離を持たせること 上
yocch41Pの新作 "MAD トカリス × M.C. Hammer" に圧倒されろ!

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コメント
とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。
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