<< アストロPの新作 "萩原雪歩劇場その弐 Baby Blue アイドルマスター" | main | Pをすすめちゃおう!パーティに寄せて アストロPの新境地・萩原雪歩劇場 >>

スポンサーサイト

  • 2014.02.22 Saturday
  • -
  • -
  • -
  • -
  • by スポンサードリンク

一定期間更新がないため広告を表示しています


速さがもたらすもの その5

JUGEMテーマ:THE IDOLM@STER


ヨルPの動画の作者コメントに改めて注意を向けてみます。

以下引用。

うちのアイドルは、格好良いだけじゃなくこんな曲でも踊れるんだ!
俺には、春香が足らない! そんなヨルPです。
しかし何でうちの春香はこんなに可愛いくて楽しそうなんだ?
大変だ!うちの春香が可愛くてしかたないんだけど!!!
うわ!!!やけに爽やかで可愛いと思ったらうちの春香だった!!!!!

すごい。
さらに、紹介ブログとしては反則ですが、ヨルPのtwitterでの発言を引用させてください。
これらの発言を読むたびに、筆者は感銘を受けずにいられないからです。
春香が踊ってるだけな動画だけど作ってて楽しいし見ても楽しい!!!
春香で80作は少ねぇだろwwwwwwwwwww
春香は何でも似合うけど、パンゴシ春香可愛いな!!!
だから俺が作ってるとは、言え春香が勝手に踊るって感じかな?
まっすぐ/青い鳥/9:02pmでもカッケー思わせるうちの春香は、スゲーっすね!

「ヨルP、春香さんにメロメロだな!」ということではなくて、
ここでは、一般的に想像してしまうような製作者と素材の関係が
逆転しているように見えるのです。
つまり、あたかも春香さんの存在にヨルP自身が圧倒されているようなのです。

「ヨルPの春香さん」の強度がヨルPにとってあまりにもありありとしているから
目の前の春香さんが見せるリアリティそのものを発見し、切り取ることに
ヨルPは全身全霊を込めて集中せざるをえない。
仮に「より正確な」ダンスシンクロや「もっと自然な」ダンスというものがあったとして
推敲課程を経ることで春香さんそのものの力が失われてしまうのなら
それはヨルPの狙いというか思いからは外れたものでしょう。

そんなリアリティを表現するための唯一の方法が恐らく「速度」であって、
常に生じては消えていく現前性をとにかくありのままに定着させる
その定着量を増やすこと、そして反射神経を磨くことを
ヨルPは自分に課しているように思えます。

誤解を生むといけないので念のために書いておくと、
ヨルPは無策・無反省に作品を垂れ流すような作家ではなく、
様々な独自の技術を駆使しているのであって
その一端については筆者の当該シリーズ1〜4で指摘してきたつもりです。

ただ、高度な技術の果てに春香さんが結果として現れるのではなくて、
逆に、様々な技術が「ヨルPの春香さん」の結果として出てきている。
多少比喩的ですが、そう言うことができると思います。

そんなヨルPの技術がいわゆるアイドルマスターMADの一般的なセオリーのようなものから
独立していて、しかも作品を経るごとに高度なものに磨き上げられているのは
一見異様なようでいて考えてみれば当然のことなのかもしれません。



そんなヨルPの作品は、まるでヨルPの裸の神経、
生理感覚がむき出しにされているかのような生々しさがあって、
アイドルマスターMADでは珍しい選曲傾向も加わって、
反感さえ覚える人もいるかも知れない。
まるで武器も防具も持たずに丸腰で立っているかのような動画です。
(誰でも身に覚えはあると思いますが、心の中が鬱屈しているとき、弱っているとき、
目の前に鎧わないものを見つけると攻撃したくなることがあります。
ヨルPの動画に時折見られる批判的なコメントはそういうものだと思います)

しかし、その違和感にぶつかった時に自分の価値を盾にして否定せず、
ヒリヒリしながら作者の生理感覚に近づいていくこと、
そんなふうにして「作者と出会えること」こそが
アイドルマスターMADのいわゆるダンスシンクロ作品を見る醍醐味だと筆者は思っています。

それにしても、ヨルPの動画にはヨルPの春香さんしかいない。
言い訳になるようなものも何もここにはない。
そういう動画のたたずまいが、本当にかっこいいと思うのです。



---

さて、シリーズをはじめる当初の構想とはすっかり構成が変わってしまい、
ヨルP特集になってしまいましたが、切りがよいので当シリーズはこれで終了とします。
ヨルPの動画は比較的癖が強く、とっつきにくさを持っていることは否めないのですが、
最初に興味を持つきっかけさえあれば、大ファンになってしまう人も多いと思います。
このシリーズがそのきっかけになってくれれば、それ以上の喜びはありません。
ありがとうございました。

なお、この記事を書くに当って、「さけとばらのひび」の記事
"シンクロ2"が念頭にありました。
シンクロが音の視覚化を目指したとしても、tloPが参照している動画のような方向には
行き着かない(シンクロ=ダンスシンクロとした場合)と筆者は考えていますが、
tloPが記事中に書いている「なにか」の一側面について少しでも触れることができていれば、と願っています。

また、念のために補足をしておくと、当記事では、動画の強度と生理感覚を得るためには
製作速度が不可欠だと言っているわけではありません。
それは例えば(というより絶好の例として)
tloPの新作を見ていただければわかることだと思います。



このように表現を突き詰めた所で作った作品にしか現れない生理というものもあります。
むしろ、この動画の表現の危うさを見事に美しさに昇華しているものこそ
tloPのギリギリまで引き絞られた皮膚感覚だということができるかもしれません。

-

11/20追記:「速さがもたらすもの」シリーズの補遺エントリーを作成しました。
ぜひご一読ください。⇒ 60's洋楽m@sterのおもしろさ その2


スポンサーサイト

  • 2014.02.22 Saturday
  • -
  • 23:57
  • -
  • -
  • -
  • by スポンサードリンク

コメント
こんにちは。同意見です。
シンクロを突き詰めるパートナーとして春香さんがいるのではなくて、春香さんを見せる"演出"としてヨルPのシンクロが結果として表出するんだと思う。だから仮にヨルPが様々な演出法を身につけて作風が変化したとしても、彼の春香さんが違って見えるなんてことはないだろうと思います。
  • zeit
  • 2008/10/31 12:35 PM
いらっしゃいませ。いつもブログを読ませていただいております。
まずは及第点をいただいたと胸をなでおろしています。

本当に言いたかったことは今回エントリーに集約されているので、シンクロ論はついでに触れたに過ぎないですが、少し遠回りしすぎました。

それにしても、見事な締めの文章をありがとうございます。特にアストロPについて言えるのですが、筆者が50行かけて言えなかったことをzeitさんはいつも数行でわかりやすく書いてしまうのですよね。毎回歯噛みして悔しがっていますが、そんなふうにいろんな人が様々な観点から作品について語ってくれるからアイドルマスターMAD界は面白いし、筆者としても間違いを恐れず思い切ってエントリーを書くことができます。無責任に偏っていないか、自戒する必要を感じ始めてもいるのですが・・・

そういうわけで、おかしな事を書いていたらご指摘くだされば有難いです。コメントありがとうございました。
  • club-jamora
  • 2008/11/03 3:36 AM
コメントする









この記事のトラックバックURL
トラックバック
calendar
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  
<< August 2017 >>
sponsored links
ページビュー
ブログパーツUL5
リロードで回るのであまり意味のない数字
selected entries
categories
archives
recent comment
recent trackback
links
profile
search this site.
others
mobile
qrcode
powered
無料ブログ作成サービス JUGEM