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速さがもたらすもの その3
- 2008.10.10 Friday
- 名作紹介
- 23:47
- comments(0)
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- -
- by club-jamora
分母が消えたのは仕様です。
⇒【ニコニコ動画】春香×smorgas「Storm Boy」
前回エントリーの末尾で紹介したこの動画。
2作目にしてヨルPのシンクロの特徴がよく現れていると思います。
アイドルマスターのダンスの振付には、
元気よい動きでアクセントが明確なもの(直線系)と
タメのある動きが主体のもの(曲線系)とがあって
初心者は前者のほうが合わせやすい、と個人的には思っている
(どんな曲にも合うと評判の「ポジティブ!」は前者の典型)のですが、
この動画を含め、初期の作品でヨルPが選択している振付のほとんどが
タメのある曲線系のもの。
視覚的にも曲線を描く動きを上手に見せているように感じます。
視覚的効果の観点からすると、直線的な動きが瞬間的に把握される
(予測が働くためか、継続した一定の時間が「瞬間」として認知される)
のに対して、曲線的な動きは持続的な注意を要求する。
そのため、継続的な力感を表現するのに適しているようです。
そういう意味で曲線的な動きを有効利用しているのが
以前コメント欄でご紹介していただいた吹奏楽m@sterのpasePです。
広義の打楽器や撥弦楽器が瞬間的な音ならば、
管楽器は呼気の継続によって音が生じます。
pasePは管楽器の音に曲線的な動きを合わせる事で
音をみごとに "抽象化" し、視覚に翻訳しています。
(演奏者の身体感覚をそのままダンスに移してはいないところが、
個人的には非常に興味深い)
pasePの曲線的表現が、音の視覚的抽象化であるならば、
ヨルPの曲線的表現には身体感覚をダイレクトに伝えてくるような激しさがあります。
特に、 "Relations" の高速シンクロ時のパワーは
追随を許さない、有無を言わせぬものがあると感じます。
この重さ。背骨で受け止めるシンクロ感覚。
理想主義的で少しナイーヴなバンプの曲にリアルな裏打ちが与えられた気がしました。
"Relations" を中心とした、タメのあるダンスを中心に選択していた最初期には
直線的な振付の曲を苦手にしていたのかもしれません。
⇒【ニコニコ動画】アイドルマスター春香「POPCORN LOVE」
例外的に上の処女作はアクセントの比較的はっきりとした "魔法をかけて" を使用。
ヨルPのシンクロに慣れた人・ないし生理感覚が近い人にとっては
スピード感と力感あふれる、心地よいものに感じるでしょうが、
一般的なアイドルマスターMADのままの感覚だと「ずれている」と感じてしまうかも。
しかし、技術をつけるに従って、持ち味である重量感と
直線系ダンスのスピード感を共存させる技術を身に付けていきます。
上の作品では、直線的なダンスとタメのあるダンスで緩急をつけ、
爽快感と重たさを互いに際立たせています。
最近のヨルP作品のシンクロは基本的にこの緩急のバランスの上に構成されています
(実際はもともとのダンスが走る部分とタメる部分があるわけで
誰が作っても大まかに緩急はつくわけですが、
ヨルPの場合は振り付けの緩急を生かすのがうまい、とは言えると思います。
さらにはダンスつなぎの前後でリズムを落としたり、
もともと5拍のダンスを4拍に合わせてきたりして
緩急を際立たせているふうにも見えます。正確なところはもっと検討が必要ですが)。
こんなふうに紹介していくと切りがないので、一旦まとめ。
ヨルPの春香さんが持つ「強度」、その明るさと前向きさは
「シンクロが持つ"タメ"の強さ、重さ」の上に
貫くようなスピード感あふれるダンスを乗せる技術から
視聴者が身体的に(だからこそ直接的に)感じ取る、「抵抗とその克服」の感覚である・
大ざっぱに言ってそんな側面があるのではないか。
もちろんこれはある一面だけを抽出して語った仮説に過ぎません。
次回はダンスつなぎの特徴に注目できればと思います。
ますます苦手なテーマなので簡単に特徴を触れるだけになると思います。
⇒ 続き
---
なお、今回の記事で注目したヨルPのダンスシンクロの特徴、リアルな重量感は
ヨルP作品全体に共通するものであるとはいえ、
実は楽曲の雰囲気に応じてガラリと雰囲気の違うダンスを組んでくる人でもあります。
その一つ一つを検討していって筆者の仮説を練り直したくもあるのですが、
長くなってまとまらなくなりそうなのでヨルPシンクロ論は一旦うちどめ。
色々見直したい記事なのですが、叩き台として、
読者の皆様の考えのきっかけとなればこれ救いです。
⇒【ニコニコ動画】春香×smorgas「Storm Boy」
前回エントリーの末尾で紹介したこの動画。
2作目にしてヨルPのシンクロの特徴がよく現れていると思います。
アイドルマスターのダンスの振付には、
元気よい動きでアクセントが明確なもの(直線系)と
タメのある動きが主体のもの(曲線系)とがあって
初心者は前者のほうが合わせやすい、と個人的には思っている
(どんな曲にも合うと評判の「ポジティブ!」は前者の典型)のですが、
この動画を含め、初期の作品でヨルPが選択している振付のほとんどが
タメのある曲線系のもの。
視覚的にも曲線を描く動きを上手に見せているように感じます。
視覚的効果の観点からすると、直線的な動きが瞬間的に把握される
(予測が働くためか、継続した一定の時間が「瞬間」として認知される)
のに対して、曲線的な動きは持続的な注意を要求する。
そのため、継続的な力感を表現するのに適しているようです。
そういう意味で曲線的な動きを有効利用しているのが
以前コメント欄でご紹介していただいた吹奏楽m@sterのpasePです。
広義の打楽器や撥弦楽器が瞬間的な音ならば、
管楽器は呼気の継続によって音が生じます。
pasePは管楽器の音に曲線的な動きを合わせる事で
音をみごとに "抽象化" し、視覚に翻訳しています。
(演奏者の身体感覚をそのままダンスに移してはいないところが、
個人的には非常に興味深い)
pasePの曲線的表現が、音の視覚的抽象化であるならば、
ヨルPの曲線的表現には身体感覚をダイレクトに伝えてくるような激しさがあります。
特に、 "Relations" の高速シンクロ時のパワーは
追随を許さない、有無を言わせぬものがあると感じます。
この重さ。背骨で受け止めるシンクロ感覚。
理想主義的で少しナイーヴなバンプの曲にリアルな裏打ちが与えられた気がしました。
"Relations" を中心とした、タメのあるダンスを中心に選択していた最初期には
直線的な振付の曲を苦手にしていたのかもしれません。
⇒【ニコニコ動画】アイドルマスター春香「POPCORN LOVE」
例外的に上の処女作はアクセントの比較的はっきりとした "魔法をかけて" を使用。
ヨルPのシンクロに慣れた人・ないし生理感覚が近い人にとっては
スピード感と力感あふれる、心地よいものに感じるでしょうが、
一般的なアイドルマスターMADのままの感覚だと「ずれている」と感じてしまうかも。
しかし、技術をつけるに従って、持ち味である重量感と
直線系ダンスのスピード感を共存させる技術を身に付けていきます。
上の作品では、直線的なダンスとタメのあるダンスで緩急をつけ、
爽快感と重たさを互いに際立たせています。
最近のヨルP作品のシンクロは基本的にこの緩急のバランスの上に構成されています
(実際はもともとのダンスが走る部分とタメる部分があるわけで
誰が作っても大まかに緩急はつくわけですが、
ヨルPの場合は振り付けの緩急を生かすのがうまい、とは言えると思います。
さらにはダンスつなぎの前後でリズムを落としたり、
もともと5拍のダンスを4拍に合わせてきたりして
緩急を際立たせているふうにも見えます。正確なところはもっと検討が必要ですが)。
こんなふうに紹介していくと切りがないので、一旦まとめ。
ヨルPの春香さんが持つ「強度」、その明るさと前向きさは
「シンクロが持つ"タメ"の強さ、重さ」の上に
貫くようなスピード感あふれるダンスを乗せる技術から
視聴者が身体的に(だからこそ直接的に)感じ取る、「抵抗とその克服」の感覚である・
大ざっぱに言ってそんな側面があるのではないか。
もちろんこれはある一面だけを抽出して語った仮説に過ぎません。
次回はダンスつなぎの特徴に注目できればと思います。
ますます苦手なテーマなので簡単に特徴を触れるだけになると思います。
⇒ 続き
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なお、今回の記事で注目したヨルPのダンスシンクロの特徴、リアルな重量感は
ヨルP作品全体に共通するものであるとはいえ、
実は楽曲の雰囲気に応じてガラリと雰囲気の違うダンスを組んでくる人でもあります。
その一つ一つを検討していって筆者の仮説を練り直したくもあるのですが、
長くなってまとまらなくなりそうなのでヨルPシンクロ論は一旦うちどめ。
色々見直したい記事なのですが、叩き台として、
読者の皆様の考えのきっかけとなればこれ救いです。
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