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速さがもたらすもの 2/5
- 2008.10.07 Tuesday
- 名作紹介
- 23:52
- comments(0)
- trackbacks(1)
- -
- by club-jamora
分母が増えるのは仕様です。
まず、前回のエントリーの補足から。
筆者は、ストーリー性のあるMADPVを否定するものではなく、
むしろそういう動画が増えることを楽しみにしています。
ただ、その場合でも、アイドルマスターMADのゲーム映像が持つ不思議な直接性と
リアリティに基盤を据えた上にストーリーが立ち上がってきてほしい(個人的趣味)。
例えばナオキPの "Flower and Ice" は、
アイドルマスターのキャラクターの性格を知ったうえで見るとより楽しいけれど、
設定を知らない人にでも訴える力を持っている。
ハイレベルな例でかえって混乱してしまったけれど、つまるところ
MAD作者は知らず知らず視聴者に対して知識と思い入れを要求しすぎてはいまいかと思う。
そこをあまり潔癖に考えすぎると
アイドルマスターMADの猥雑な魅力自体が痩せてしまうとも感じるのですが。
さて、ヨルPの動画について。
筆者は長いこと、ヨルPの動画を敬遠してきました。
選曲の強烈さもありますが、シンクロも独特で合っていないように見えた(後に反省)し、
異なるダンス間のつなぎも唐突で、
それよりも何よりも映像自体に妙に緊迫感があって
作者がまるで1人で何かと戦っているかのような、
そんな孤独なイメージがあって避けてたんですね。
動画の強度に耐えられなかったのですね。
しかし動画をみていくうちに、シンクロとダンスのつなぎ方にこそ
ヨルPの特徴が現れているように思えてきたので、そのあたりに注目してみます。
1.タメのあるダンスシンクロ
ダンスシンクロは「直線系」と「曲線系」の2種類に大別できると思います。
直線系の動きは、動いている方向と逆の方向に対する力が働いたときに
先端までその力が伝わるとする場合。
曲線系は、先端までに複数の関節があるイメージです。
前者では理論上、力が入ると先端はその場で停止する・ないし反動で少し返しが入る。
後者では、反作用が働くと、先端は速度を落としながらもしばらく流れていきます。
反作用が働いたタイミングにアクセントを合わせるのが
アニメーションのセオリーのようです。
初心者がスピード重視のダンスシンクロを組んだときに
微妙に遅れ気味になりがちなのは、直線系の動きの反動を計算に入れず、
例えば腕が伸びきった時点でアクセントを取ってしまうためだろうと思います。
視覚に対する音の遅れもあるため、スピード感のあるシンクロの場合は
1〜2フレーム程度映像が先行したほうがいい(実際はもちろんケースバイケースです)。
これはあのorgonePですら処女作の前半で犯しているミスだと思うので、
こんな単純に割り切れる問題ではない気もするのですが、一要因としてメモしました。
(しかしさすがのorgoneP、中盤以降はガッチリ合わせてきます)
と思って今見直したら、orgonePの場合はこんな基本的なミスとは縁のない、
別の事だろうと感じました。演出上の意図かもしれないけれど、まだよくわからない。
⇒【ニコニコ動画】iDOLM@STER&JB 『TURN ME LOOSE, I'M Dr.FEELGOOD』
アニメーションでは、スピード感のある動きの場合は前者、
ゆっくりとした動きの場合は後者を使い分けることが多いです。
アイドルマスターMADでも同じで、高速シンクロの場合は前者寄り、
スローシンクロの場合は後者寄りの合わせ方が基本です。
例1:高速シンクロの神品。星の王子様P
これを見てわかるとおり、
実際には直線的な動きと曲線的な"タメ"を持った動きはシームレスに混ざっています。
星の王子様Pはカットを細かく割りながらその差を調節しているようです。
例2:スローシンクロの神品。AerieP
動きの少ないバスト〜顔アップを多用しながら、アクセントを外すことがない。
楽曲のムードをいささかも傷付けまいという丁寧な作り。
そして、ヨルPのすごいところは、高速シンクロでも曲線系の方法を使ってきて、
見事にヨルPの個性と動画の魅力に昇華しているところだと思います。
まずはこの作品をどうぞ。
-
御託ばかり並べてほとんど動画に触れられてないじゃないか!
お叱りごもっとも、次回に乞ご期待。⇒ こちら
まず、前回のエントリーの補足から。
筆者は、ストーリー性のあるMADPVを否定するものではなく、
むしろそういう動画が増えることを楽しみにしています。
ただ、その場合でも、アイドルマスターMADのゲーム映像が持つ不思議な直接性と
リアリティに基盤を据えた上にストーリーが立ち上がってきてほしい(個人的趣味)。
例えばナオキPの "Flower and Ice" は、
アイドルマスターのキャラクターの性格を知ったうえで見るとより楽しいけれど、
設定を知らない人にでも訴える力を持っている。
ハイレベルな例でかえって混乱してしまったけれど、つまるところ
MAD作者は知らず知らず視聴者に対して知識と思い入れを要求しすぎてはいまいかと思う。
そこをあまり潔癖に考えすぎると
アイドルマスターMADの猥雑な魅力自体が痩せてしまうとも感じるのですが。
さて、ヨルPの動画について。
筆者は長いこと、ヨルPの動画を敬遠してきました。
選曲の強烈さもありますが、シンクロも独特で合っていないように見えた(後に反省)し、
異なるダンス間のつなぎも唐突で、
それよりも何よりも映像自体に妙に緊迫感があって
作者がまるで1人で何かと戦っているかのような、
そんな孤独なイメージがあって避けてたんですね。
動画の強度に耐えられなかったのですね。
しかし動画をみていくうちに、シンクロとダンスのつなぎ方にこそ
ヨルPの特徴が現れているように思えてきたので、そのあたりに注目してみます。
1.タメのあるダンスシンクロ
ダンスシンクロは「直線系」と「曲線系」の2種類に大別できると思います。
直線系の動きは、動いている方向と逆の方向に対する力が働いたときに
先端までその力が伝わるとする場合。
曲線系は、先端までに複数の関節があるイメージです。
前者では理論上、力が入ると先端はその場で停止する・ないし反動で少し返しが入る。
後者では、反作用が働くと、先端は速度を落としながらもしばらく流れていきます。
反作用が働いたタイミングにアクセントを合わせるのが
アニメーションのセオリーのようです。
初心者がスピード重視のダンスシンクロを組んだときに
微妙に遅れ気味になりがちなのは、直線系の動きの反動を計算に入れず、
例えば腕が伸びきった時点でアクセントを取ってしまうためだろうと思います。
視覚に対する音の遅れもあるため、スピード感のあるシンクロの場合は
1〜2フレーム程度映像が先行したほうがいい(実際はもちろんケースバイケースです)。
こんな単純に割り切れる問題ではない気もするのですが、一要因としてメモしました。
(しかしさすがのorgoneP、中盤以降はガッチリ合わせてきます)
と思って今見直したら、orgonePの場合はこんな基本的なミスとは縁のない、
別の事だろうと感じました。演出上の意図かもしれないけれど、まだよくわからない。
⇒【ニコニコ動画】iDOLM@STER&JB 『TURN ME LOOSE, I'M Dr.FEELGOOD』
アニメーションでは、スピード感のある動きの場合は前者、
ゆっくりとした動きの場合は後者を使い分けることが多いです。
アイドルマスターMADでも同じで、高速シンクロの場合は前者寄り、
スローシンクロの場合は後者寄りの合わせ方が基本です。
例1:高速シンクロの神品。星の王子様P
これを見てわかるとおり、
実際には直線的な動きと曲線的な"タメ"を持った動きはシームレスに混ざっています。
星の王子様Pはカットを細かく割りながらその差を調節しているようです。
例2:スローシンクロの神品。AerieP
動きの少ないバスト〜顔アップを多用しながら、アクセントを外すことがない。
楽曲のムードをいささかも傷付けまいという丁寧な作り。
そして、ヨルPのすごいところは、高速シンクロでも曲線系の方法を使ってきて、
見事にヨルPの個性と動画の魅力に昇華しているところだと思います。
まずはこの作品をどうぞ。
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